パブリックコメント「バージニアマイシンに係る食品健康影響評価に関する審議結果(案)についての意見・情報の募集について」にて、意見募集中です。
https://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=095201150&Mode=0
抗菌薬であるバージニアマイシンは、感染症の治療のために使用する場合(動物用医薬品)と成長促進目的に使用する場合(飼料添加物)に分けられ、それぞれ、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(薬機法)と飼料の安全性の確保および品質の改善に関する法律(飼料安全法)により、使用基準が定められています。
家畜に使用する抗菌薬によって家畜の体内で薬剤耐性菌が選択圧として働くことにより、耐性菌以外の細菌が減少し、耐性菌が相対的に増加し、家畜から人に伝染し、人の治療のために使用される抗菌性物質が十分に効かない可能性が危惧されています。
今回のバージニアマイシンに係る食品健康影響評価に関する審議結果(案)は、動物用医薬品での使用となります。
食品安全委員会での議論
https://www.fsc.go.jp/fsciis/meetingMaterial/show/kai20200904ff1
バージニアマイシンは、平成28年5月24日付けで、食品安全委員会が、動物用医薬品又は飼料添加物として家畜に使用された場合のリスクの程度は中等度と評価しており、成長促進目的に使用する場合(飼料添加物)の利用は禁止されました。
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11121000-Iyakushokuhinkyoku-Soumuka/0000176471.pdf
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11121000-Iyakushokuhinkyoku-Soumuka/0000176470.pdf
世界的にも、薬剤耐性(AMR: Antimicrobial Resistance)の観点から、家畜に使用する抗菌薬は、ヒトおよび動物の健康に関する世界的な懸念点となっており、利用を制限する方向となっています。
https://www.oie.int/scientific-expertise/veterinary-products/antimicrobials/
家畜に使用する抗菌薬は、動物用医薬品としても利用しないのが好ましいかと思いますが、新型コロナウイルスワクチン提供企業の影響のためか、日本でバージニアマイシンの利用を解禁する方向になっている気がします。