2022年05月30日

キラキラネームを含む戸籍読み仮名で意見募集中

 法務省が、戸籍の氏名に新たに付ける読み仮名に関し、意見募集を開始しました。
 パブリックコメント「戸籍法等の改正に関する中間試案」に関する意見募集にて、意見募集中です。
 https://public-comment.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=300080273&Mode=0

 法制審議会−戸籍法部会のページにて、様々な議論が行われてきました。
 https://www.moj.go.jp/shingi1/housei02_003012

 「戸籍法等の改正に関する中間試案」では、様々な項目に関して、いくつかの選択案を提示しています。
○戸籍の記載事項として、戸籍法第13条に次のいずれかの規定を設けるものとする。
【甲案】氏名を平仮名で表記したもの
【乙案】氏名を片仮名で表記したもの

○氏名を平仮名(片仮名)で表記したものの許容性及び氏名との関連性に関する審査について、次のいずれかの案によるものとする。
【甲案】戸籍法には規定を設けず、権利濫用の法理、公序良俗の法理等の法の一般原則による(注1)。
【乙案】権利濫用の法理、公序良俗の法理等の法の一般原則によるほか、氏名との関連性について、戸籍法に次のような規律を設けるものとする(注2)。氏名を平仮名(片仮名)で表記したものは、国字の音訓若しくは慣用により表音され、又は字義との関連性が認められるものとする。
【丙案】権利濫用の法理、公序良俗の法理等の法の一般原則によるほか、氏名との関連性について、戸籍法に次のような規律を設けるものとする(注2)。氏名を平仮名(片仮名)で表記したものは、次のいずれかとする。
@ 国字の音訓又は慣用により表音されるもの
A 国字の音訓又は慣用により表音されるものでなくても、字義との関連性が認められるものその他法務省令で定めるものを届け出た(申し出た)場合における当該表記
(注1)【甲案】について法令に規定することも考えられる。
(注2)【乙案】又は【丙案】における「慣用」は、社会的にその氏名を平仮名(片仮名)で表記したものが使用されているという社会的慣用を意味するものである。

 今回の発端は、法制審議会総会第191回会議の諮問第116号が基になっており、その議事録では、以下内容が記載されています。
[議題の第2は,本日諮問予定の「氏名の読み仮名の法制化に係る戸籍法令の改正に関する諮問第116号」についてでございます。現在,戸籍法には、氏名の読み仮名についての規定はありません。しかし,先の通常国会で成立した「デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律」の附則では、行政手続において、氏名を平仮名又は片仮名で表記したものを利用して個人を識別できるようにするため、これを戸籍の記載事項とすることを含め、本年5月のこの法律の公布後1年以内を目途として、具体的な方策について検討を加え、必要な措置を講ずることとされました。
 また、昨年末に閣議決定された「デジタル・ガバメント実行計画」においては、2024年からのマイナンバーカードの海外利用開始に合わせ、戸籍における氏名の読み仮名の法制化を図ることとされました。戸籍において氏名の読み仮名を公証することは、まさにデジタル社会のインフラを構築するものでありますが、これを戸籍の記載事項とするに当たっては、氏名の音訓や字義との関連性をどこまで要求するか,どのような手続に基づいて戸籍に反映させるかなどの問題があります。
 そこで、氏名の読み仮名を戸籍の記載事項とする規定を整備するなど、戸籍法制の見直しについて御審議をお願いするものでございます。」
https://www.moj.go.jp/shingi1/shingi03500041.html


 目的は、2024年からのマイナンバーカードの海外利用開始に合わせて、戸籍における氏名の読み仮名の法制化を図る事となっており、当然ミドルネームの議論も行われるべきであったかと思います。

 戸籍法第13条では、ミドルネームの概念がありませんが、ミドルネームを上手く利用できれば、夫婦別姓の議論に於いて、新たな到達点として上手く機能しそうですが、デジタル後進国の日本のシステムでは難しいのかもしれません。

 今回の「戸籍法等の改正に関する中間試案」でも、暗黙の前提条件がある状態となっており、多様性を重視する社会の在り方が考慮されていない気がします。


posted by Auctor at 23:59 | Comment(0) | 時事ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年05月26日

教育未来創造会議「第一次提言」を受けたこれからの大学について

 文部科学省が、教育未来創造会議「第一次提言」を受けたこれからの大学についてを公表しました。
 https://www.mext.go.jp/b_menu/daijin/detail/mext_00270.html

 結びとして、「特に中学生・高校生の皆さんには、文系か理系かの二者択一に陥らないよう、様々な学習をすることができる機会を御用意します。」「大学には、文理横断的な入学者選抜に転換するよう強く促していきます。」と記載されている事は、今後、重要な点になってくるかと思います。

 「IT系の人材は2030年に最大79万人も不足するという予測もある」と記載されていますが、ある一定レベルになると、英語のドキュメントを理解できる力が必要になってきます。

 また、日本の大学では、Bachelor of Scienceが取得可能なGeographyの専攻が無い事も、日本の教育環境に少なからず影響を与えている事を理解すべきかと思います。

 最終的には、様々な場面に於いて、大学名で物事を判断するのではなく、大学で何を学んだかを判断するようになって頂きたいところです。

 

 
posted by Auctor at 01:25 | Comment(0) | 時事ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年05月24日

郵便認証司の兼業に係るみなし承認手続の対象職拡大へ

 総務省が、郵便認証司の兼業に係るみなし承認手続の対象職を拡大する事を公表しました。

 パブリックコメント「郵便法施行規則の一部を改正する省令案に対する意見募集」にて、意見募集中です。
 https://public-comment.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=145209918&Mode=0

 現在、郵便認証司が日本郵便株式会社に対して非常勤の消防団員の職に就く旨の意思表示をした日に、総務大臣による承認を受けたものとみなし、日本郵便株式会社がその兼業について総務大臣に報告するものとなっています。
 今後は、以下の職についても同様のみなし承認手続が行われる事となります。
・児童委員[児童福祉法(昭和 22 年法律第 164 号)]
・学校評議員[学校教育法施行規則(昭和 22 年文部省令第 11 号)]
・民生委員[民生委員法(昭和 23 年法律第 198 号)]
・社会教育委員、公民館運営審議会委員[社会教育法(昭和 24 年法律第 207 号)]
・投票管理者、投票立会人、開票立会人、選挙立会人[公職選挙法(昭和 25 年法律第 100 号)]
・保護司[保護司法(昭和 25 年法律第 204 号)]
・警察署協議会委員[警察法(昭和 29 年法律第 162 号)]
・予備自衛官[自衛隊法(昭和 29 年法律第 165 号)]
・教育委員会委員、学校運営協議会委員[地方教育行政の組織及び運営に関する法律(昭和 31 年法律第 162 号)]
・地方防災会議委員[災害対策基本法(昭和 36 年法律第 223 号)]
・国民保護協議会委員[武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律(平成 16 年法律第 112 号)]
・統計調査員[統計法(平成 19 年法律第 53 号)]
・鳥獣被害対策実施隊員[鳥獣による農林水産業等に係る被害の防止のための特別措置に関する法律(平成 19 年法
律第 134 号)]
・スポーツ推進委員[スポーツ基本法(平成 23 年法律第 78 号)]

 承認要件(郵便法施行規則第 18 条の3第1項)は、以下の通りです。
@ 郵便認証司の職務の適正な遂行を妨げる特別な利害関係が生じないこと。
A 郵便認証司の職務の遂行に支障が生じないこと。
B 郵便認証司の信用又は品位を害するものでないこと。

 今後、多くの郵便認証司が兼業を行う事が容易になってくるかと思います。
posted by Auctor at 22:35 | Comment(0) | 時事ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする